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弁護士にクレーム対応を相談するメリットとは?具体的な対処方法と弁護士関与のメリットを解説

企業経営にあたっては、顧客や消費者からのクレームは、自社の商品やサービスを見直す重要なきっかけになります。正当なクレームに関しては、真摯に耳を傾けて対応すべきですが、クレームの中には理不尽な要求をしてくるものや嫌がらせのような悪質なクレームも存在します。

理不尽・悪質なクレームは、経営者としても対応に頭を悩ませる問題といえるでしょう。このようなクレームがあった場合、不適切な対応をしてしまうと企業イメージの低下や従業員の士気の低下などの悪影響が生じることもあります。そのため、理不尽・悪質なクレームに対しては、早期に弁護士に相談して、対応を検討していくことが重要です。

今回は、企業がクレーム問題を放置することのリスクと弁護士にクレーム対応を相談するメリットなどについて、わかりやすく解説します。

企業が直面する理不尽なクレームの例

クレームの例

企業が直面する理不尽なクレームには、以下のようなものが挙げられます。

商品やサービスに関するクレーム

企業が提供する商品やサービスに何らかの問題や不具合が生じると、以下のようなクレームが発生することがあります。

  • 商品の破損、欠陥、不足
  • 食品の賞味期限切れ
  • 異物混入
  • サービス提供の遅れ

正当なクレームであれば真摯に対応することが重要ですが、商品やサービスの不具合を顧客が自作自演するなどして理不尽なクレームを行う人もいます。そのような悪質なクレームであっても放置していると企業イメージの低下につながりますので注意が必要です。

【参考】消費者からのクレームへの対処法を弁護士が解説

顧客対応に関するクレーム

商品やサービスには問題がなかったとしても、顧客対応にあたった従業員の態度や言動に問題があるとクレームに発展することがあります。

  • 従業員に愛想がない
  • 従業員の言葉遣いが失礼
  • たらい回しにされた、要望を無視された
  • クレームに対して謝罪がない

顧客対応に関するクレームでは、対応にあたる従業員に問題があるケースもありますので、それについては社員教育などで対応する必要があります。しかし、顧客対応の誤りを理由に土下座や金品を要求してくる悪質なクレーマーもいますので、そちらに対しては毅然とした態度で接していく必要があります。

【参考】消費者トラブル・クレーマー

顧客自身の勘違いによるクレーム

商品やサービス、顧客対応に問題がなくても、顧客自身の勘違いによりクレームが発生することがあります。

  • サイズや数量を間違って注文してしまった
  • 届いた商品がイメージと異なっていた

顧客自身の勘違いの責任を企業に押し付けるのは理不尽なクレームといえますので、こちらについても毅然とした態度で接していかなければなりません。

クレーム問題を放置することのリスク

リスク

顧客からのクレームを放置すると企業にはどのようなリスクが生じるのでしょうか。以下では、クレーム問題を放置することで生じうるリスクについて説明します。

リスク①|従業員の疲弊

クレームに対応しなければならないのは、現場の従業員です。悪質なクレーマーだと、従業員に土下座を要求したり、1日に何回も電話をかけてくるなどの特徴があります。このような悪質なクレーマーの対応は、特定の従業員が担当することが多く、その従業員には心身ともに多大なストレスがかかります。

クレーム問題をそのまま放置していると従業員のモチベーションの低下だけでなく、心身の不調を招くなど、従業員の疲弊につながるリスクがあります。企業にとって貴重な人材である優秀な従業員がクレームを原因として離職していくのは大きな損害といえるでしょう。

【参考】顧問弁護士が社員の相談にものれる?企業が知っておくべき顧問契約なポイントを解説

リスク②|労働問題等への発展

企業には、従業員の健康と安全に配慮する義務があります。これを「安全配慮義務」といいます。

悪質なクレームがあることを認識しながら、従業員にその対応を押し付けて企業が適切な措置を講じなかった結果、従業員が精神疾患に罹患したような場合には、安全配慮義務違反を理由として、従業員から損害賠償請求をされるリスクがあります。

このような労働問題が裁判にまで発展すると、その対応に時間や労力を割かなければなりませんので、本業に支障が生じる可能性もあります。

リスク③|企業のイメージの低下

クレームを放置していると、SNSなどを通じて情報が拡散されてしまうことがあります。

悪質なクレーマーにより「食品に異物が混入していた」というデマが拡散されたとしても、一般の消費者は、その情報の真偽を確かめる術はありませんので、デマであっても信用される可能性が高いです。

企業側が迅速に適切な対応をとらなければあっという間に情報が拡散されてしまいますので、それにより企業のイメージが低下することは避けられません。後からデマであるとの釈明をしたとしても、簡単には企業イメージを回復することはできないでしょう。

クレームの内容によっては企業に莫大な損害が生じ、経営にも重大な影響を及ぼすこともあります。

悪質なクレームを受けたときの対処法

クレーム対処法

顧客からの悪質なクレームを受けたときは、そのまま放置するのではなく、以下のような対処が必要です。

事実関係の確認をする

顧客からクレームを受けたときは、正当なクレームであるか悪質なクレームであるかを判断するためにも、まずは事実関係の確認をする必要があります。

事実関係を確認する際には、顧客や従業員からの聞き取りだけでなく、客観的な資料に基づいて判断することが重要です。

事実確認の結果、正当なクレームであった場合には、真摯な対応をする必要がありますが、悪質なクレームであった場合には毅然とした態度で接していかなければなりません。

会話の内容などを記録する

顧客からクレームがあったときは、会話内容を録音するなどして記録に残しておくことが大切です。悪質なクレーマーは、会社側の言動を都合よく解釈して、理不尽な要求をしてくることがあります。後日「言った・言わない」の水掛け論になることを防ぐためにも、クレーマーとの会話内容はしっかりと記録しておくようにしましょう。

複数人で対応する

悪質なクレーマーは、理不尽な要求を繰り返してきますので、特定の従業員だけに担当させるのは絶対に避けてください。クレーム対応にあたる従業員は、精神的に疲弊してしまいますので、心身に不調をきたし、安全配慮義務違反を理由に訴えられてしまうリスクが高くなります。

そのため、悪質なクレームが発生したことを認識したときは、複数人で対応するなどして特定の従業員に負担が偏らないように配慮することが大切です。複数人で対応することで負担を分担できるだけでなく、話をする人と記録をする人を分けることで、客観的な証拠を残しやすくなるといったメリットもあります。

クレーマーの要求に即答しない

悪質なクレーマーは、自己の要求を飲ませるために執拗に担当者を攻撃してきます。悪質なクレームに対応する担当者は、クレーマーからの攻撃に耐えきれず、悪質なクレーマーの要求に応じてしまうこともあります。

しかし、悪質なクレーマーの要求に応じてしまうと、どんどん要求がエスカレートして取り返しのつかないことになりますので、クレーマーの要求に即答するのは避けなければなりません。

そのためには、普段から現場の従業員にクレーム対応に関する教育を行い、クレーマーへの対応マニュアルなどを整備しておくことが大切です。

警察に通報する

顧客からの悪質なクレームは、犯罪にあたるようなものも含まれています。顧客であれば何でも許されるというわけではありませんので、悪質なクレーマーに対しては、警察への通報も必要になるでしょう。

悪質なクレームに対しては警察を呼ぶという毅然とした態度をとることで、悪質なクレームを抑止するという効果も期待できます。

弁護士に相談する

顧客からのクレームがあったときは、弁護士に相談をすることで適切な対応をアドバイスしてもらうことができます。また、企業の担当者では手に負えないようなクレーマーに関しては、弁護士に交渉を任せることもできます。

悪質なクレーマーにより企業側のリスクを最小限に抑えるためにも、早めに弁護士に相談するようにしましょう。

【参考】顧問弁護士が社員の相談にものれる?企業が知っておくべき顧問契約なポイントを解説

 

弁護士がクレーム対応にて提供すること

  • クレーム内容に関する証拠の収集
  • クレームへの解決策のご提案
  • クレーマーへの対応代行

弁護士にクレーム対応をご依頼いただくメリット

弁護士にクレーム対応をご依頼いただくメリット

顧客からのクレームを放置するとさまざまなリスクが生じる可能性がありますので、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。弁護士にクレーム対応を依頼すると、以下のようなメリットがあります。

メリット①|悪質なクレームを見分けられる

クレームには、正当なクレームと悪質なクレームがありますので、顧客からのクレームがどちらにあたるのかによって企業側がとるべき対応が異なります。クレームの正当性の見極めを誤り、不適切な対応をしてしまうと被害が拡大するリスクもありますので、悪質なクレームの見極めが重要になります。

弁護士であれば、法的観点からクレームの正当性を判断することができますので、具体的なケースに応じた最適なアドバイスをすることができます。

メリット②|本来の業務に専念できる

悪質なクレーマーは、1日に何度も電話や訪問をするなどして執拗に理不尽な要求を繰り返していきます。悪質なクレーマーに対応しなければならない担当者は、その対応に長い時間を費やすことになり、本来行わなければならない業務に支障が生じてしまいます。

悪質なクレーム対応を弁護士に依頼すれば、現場の担当者に代わって弁護士がクレーマーとの交渉を行うことができますので、担当者は、本来の業務に専念することが可能になります。

メリット③|法的観点から適切な反論ができる

悪質なクレーマーは、自己の主張が理不尽・不当なものであると知りながらも、正当な要求であるかのごとく主張してきます。法的知識のない現場の担当者では、理不尽・不当なクレームだと思ったとしても、即座に反論ができず、不当なクレームに屈してしまうリスクがあります。

弁護士であれば、クレームの内容が法的に正当なものであるかどうかを即座に判断し、法的根拠に基づいて反論することができます。悪質なクレーマーであっても、弁護士が法的観点から正当な反論をすれば、それ以上不当なクレームを続けることができず諦めてくれるでしょう。

メリット④|被害を最小限に抑えることができる

悪質なクレームであっても放置しているとさまざまなリスクが生じます。特に、SNSなどで事実と異なるデマや噂話が拡散されると、企業イメージの低下につながるおそれがあります。

そのようなデマや噂話が投稿されていることを発見した場合、すぐに弁護士に依頼すれば、投稿の削除請求を行い、被害の拡大を防止するとともに発信者情報開示請求により違法な投稿をした人物を特定し、法的責任を追及することが可能です。

違法なデマや噂話を拡散する人物に対して、企業側が毅然とした態度で接することを世間に公表することで、悪質なクレームの予防にもつながるでしょう。

【参考】消費者トラブル・クレーマー

企業側のクレーム対応は弁護士法人山本総合法律事務所にご相談ください

集合写真

顧客からのクレーム問題を弁護士に依頼するなら、企業法務に詳しい弁護士に相談する必要があります。離婚や相続など個人事件を専門とする弁護士では、企業法務に関する知識や経験が十分でない可能性もありますので、企業法務に積極的に取り組んでいる弁護士を選ぶようにしましょう。

弁護士法人山本総合法律事務所では、企業法務に関する豊富な経験と実績があります。顧客からのクレーム対応に関しても、迅速かつ適切に対応することが可能ですので、クレーム対応にお困りの経営者の方は、当事務所までお気軽にご相談ください。

 

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この記事を書いた人

山本 哲也

山本 哲也

弁護士法人 山本総合法律事務所の代表弁護士。群馬県高崎市出身。
早稲田大学法学部卒業後、一般企業に就職するも法曹界を目指すため脱サラして弁護士に。
「地元の総合病院としての法律事務所」を目指し、個人向けのリーガルサービスだけでなく県内の企業の利益最大化に向けたリーガルサポートの提供を行っている。

山本 哲也

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