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顧問弁護士とは?顧問弁護士との契約内容の基礎知識と活用のメリット

顧問弁護士とは、法的側面から事業活動をサポートし、経営者の味方となってくれる存在のことです。

それは何となく分かってはいても、顧問弁護士の契約をすることで具体的にどのようなメリットが得られるのかについて、疑問をお持ちの方も多いことでしょう。

会社や個人事業を経営していれば、いつ法的トラブルに遭遇してもおかしくありません。早期に顧問弁護士と契約して日頃から弁護士のサポートを活用することで、そのメリットを実感していただけるはずです。

今回は、顧問弁護士とは何か、顧問契約ではどのような内容を取り決めればよいのかについて解説するとともに、顧問弁護士を活用することで得られるメリットもご紹介します。

顧問弁護士に関する基礎知識

顧問弁護士の基礎知識

まずは、顧問弁護士とは何か、どのような業務内容を顧問弁護士に相談できるのかについてご説明します。

顧問弁護士とは

顧問弁護士は、会社や個人事業の経営者と顧問契約を結び、法的側面から継続的に事業活動をサポートする弁護士のことです。

日頃からの助言によって法的トラブルの発生を防止するとともに、万が一、トラブルが発生した場合には迅速かつ円満な解決を目指して対応するのが顧問弁護士の役割です。

複雑な法律問題への対処を顧問弁護士に任せることにより、経営者や従業員は本来の業務に集中できるので、事業活動を円滑に展開することが可能となるでしょう。

一般の弁護士との違い

経営者は顧問弁護士の契約をしなくても、一般の弁護士に相談して法的助言を得たり、法的トラブルの解決を依頼したりすることも可能です。

しかし、一般の弁護士に相談・依頼するためには、まず、その問題に精通した弁護士を探さなければなりません。それから法律相談の予約をとり、実際に相談して弁護士と委任契約を結ぶまでには、1~2週間ほどかかってしまうことが多いです。

このタイムラグの間に法的トラブルが発生してしまうと、紛争の予防という目的を果たすことはできないでしょう。

また、既に法的トラブルが発生している場合には、初動が遅れたり、誤った対応をとったりすることによりトラブルが深刻化し、解決が難しくなることもあります。

その点、顧問弁護士は日頃から会社の実情を把握して助言してくれるので、紛争の予防に役立ちます。法的トラブルが発生した場合にも、顧問契約を結んでいるため優先的に対応してくれるので、迅速な解決が期待できます。

社内弁護士との違い

社内弁護士とは、企業などに雇用され、社内の法務部などに勤務する弁護士のことです。「社内弁護士」と呼ばれますが、司法試験に合格して弁護士となる資格を有しているものの、弁護士登録はしていない人を雇用するケースが多いようです。

それに対して、顧問弁護士は顧問先の企業などに雇用されるのではなく、顧問契約(委任契約)を結んで外部から事業活動のサポートに携わる存在です。

両者を比較すると、社内弁護士の方が勤務先の会社の実情には精通しているでしょう。したがって、紛争の予防という面では社内弁護士も高い成果を上げるかもしれません。

しかし、法的トラブルが発生した場合、弁護士登録をしていない社内弁護士は相手との交渉や裁判手続きを代理することができません。弁護士登録をしている社内弁護士でも、交渉や裁判の経験は浅いことがほとんどでしょう。

顧問弁護士は、交渉や裁判によって法的トラブルを解決した経験が数多くあるので、紛争解決に必要な専門知識やノウハウを豊富に有しています。このような知識と経験に基づいて日頃の法的助言を行うので、紛争の予防という面でも高い効果が期待できます。

【参考】顧問弁護士とは?顧問弁護士との契約内容の基礎知識と活用のメリット

顧問弁護士に相談できる業務内容

顧問弁護士に相談できる業務内容は、多岐にわたります。弁護士によって取り扱い業務の範囲が異なることもありますが、ここでは代表的な業務内容をご紹介します。

契約書などの書類作成やリーガルチェック

事業活動を展開する上で、さまざまな契約を結ぶことは欠かせません。契約を結ぶ際には、適切な内容の契約書を作成しておかなければ、約束した内容が曖昧になるなどして大きなトラブルを招くリスクが高まります。

顧問弁護士がいれば、契約書の作成を任せることもできますし、相手が作成した契約書の内容を確認して修正案を提示してもらうこと(リーガルチェック)もできます。

社内の労務問題への対応

会社を経営していると、さまざまな労務問題が発生するものです。

残業代などの未払い賃金の請求や、セクハラ・パワハラなどのハラスメント問題、解雇や雇い止めに関するトラブル、問題社員への対応、労災事故への対応などが代表的ですが、他にもさまざまな問題が考えられます。

顧問弁護士は、労務問題の発生を予防するための助言を行うとともに、トラブルが発生した場合には迅速かつ円満な解決を目指して対応します。

万が一、労働訴訟に発展した場合には、会社側の代理人として裁判手続きを全面的に代行します。

【参考】企業の労務対策は弁護士までお任せください

債権回収のサポート

売買代金やサービス代金などの未払いが発生した場合の債権回収の問題も、頻繁に起こりがちなトラブルのひとつです。

未払いを放置すればするほど債権回収が難しくなりがちなので、早期に手を打つことが肝心です。

顧問弁護士がいれば、未払いが発生した時点で有効な回収手段について助言してもらえます。相手との交渉や支払督促、裁判、強制執行(財産の差し押さえ)などを代行してもらうことも可能です。

【参考】債権回収の対応方法と弁護士に依頼するメリットを解説

消費者トラブルへの対応

近年は国民の権利意識の高まりやSNSの普及などに伴い、消費者トラブルのリスクが急激に高まっています。

悪質なクレームによるカスタマーハラスメントによって業務に支障をきたしたり、悪意を持った口コミを拡散されて風評被害を受けたりするケースも珍しくありません。

顧問弁護士には、クレーマーへの対応や、インターネットに悪質な書き込みをした人物の特定、投稿記事の削除請求、加害者に対する損害賠償請求などを依頼できます。

【参考】消費者からのクレームへの対処法を弁護士が解説

不動産トラブルへの対応

不動産関係の企業だけでなく、他の業種の企業でも、不動産取引は身近な問題です。

不動産取引に関しては、賃料の不払いや、立ち退き・明け渡しの問題、物件の欠陥や修繕義務をめぐるトラブル、賃貸借契約の途中解除・更新拒絶、敷金・礼金の返還、原状回復をめぐるトラブルなど、多種多様なトラブルが考えられます。

不動産トラブルが発生すると、損害額が高額化することもあります。自社テナントや工場がトラブルに巻き込まれた場合には、業務遂行に支障をきたすこともあるでしょう。

顧問弁護士は、取引時に契約書や重要事項説明書を確認するなどして、トラブルの発生を予防します。トラブルが発生した場合には、相手との交渉や裁判手続きの代行を顧問弁護士に依頼することが可能です。

【参考】不動産業の経営者様へ|群馬県内で顧問弁護士をお探しなら弁護士法人山本総合法律事務所へ

会社法に関する法務のサポート

株式会社では、株式の発行や株式譲渡、株主総会の開催、取締役会の設置・開催など、会社法に則って行わなければならない重要事項が多々あります。

これらの法務を適切に進めることができなければ、株主やステークホルダー(利害関係者)に損失を与えたり、ひいては自社の信頼が損なわれて業績が悪化することにもなりかねません。

顧問弁護士は、豊富な法律知識と経験に基づき、さまざまな法務を的確にサポートしてくれます。日頃から専門的な法的助言を受けて会社を運営することで、コーポレートガバナンス(企業統治)の強化にも役立つでしょう。

従業員からの私的な相談への対応(EAP)

顧問契約の内容によりますが、従業員が抱える私的な問題についても法律相談に応じてくれる弁護士も多いです。

従業員が離婚や相続、交通事故、金銭トラブルなどの法律問題で大きな悩みを抱えていると、仕事に集中できないこともあるでしょう。

そんなとき、信頼できる弁護士が相談に乗ることで解決につながれば、従業員にとっても企業にとっても大きなメリットとなるはずです。

企業が顧問料を負担して弁護士への法律相談の機会を与えることは、従業員への福利厚生にもなります。

【参考】顧問弁護士が社員の相談にものれる?企業が知っておくべき顧問契約なポイントを解説

顧問弁護士との契約の概要

顧問弁護士契約の概要

顧問弁護士が実際にどのような業務に対応してくれるかは、経営者と弁護士との顧問契約の内容によって決まります。

ここでは、顧問弁護士との契約の概要をご紹介します。

契約書を作ることの重要さについて

顧問弁護士との契約も「契約」のひとつなので、必ず契約書を作成しましょう。

顧問契約書を作成していなければ、弁護士にどのような相談や依頼ができるのか、顧問料をいくら支払う必要があるのか、などが明確にならず、トラブルを招く原因となります。

重要なことを、相談したいときに相談できなかったということになれば、会社の業務運営に支障をきたすことにもなりかねません。

通常は弁護士側で顧問契約書を作成しますが、中には口約束で顧問契約を進めようとする弁護士もいるので、ご注意ください。

【参考】契約書はテンプレートそのままの使用はNG!注意点や弁護士に相談するメリットを解説

顧問契約書に記載すべき重要項目

顧問契約書を作成する際には、特に以下の重要項目に注目し、納得のいく契約条件を弁護士との協議で取り決めることが大切です。

サービス内容

まずは、顧問弁護士に求めるサービス内容を明確にしましょう。

顧問弁護士の主な業務内容は先ほどご紹介しましたが、その他にも、弁護士ができるサービス内容は多岐にわたります。

取り決めたサービスについては、どこまでの範囲が毎月の顧問料(基本料金)に含まれるのか、別料金を要する場合の料金体系も明確に決めておく必要があります。

例えば、契約書の作成サポート・リーガルチェックについては「月○件まで別料金は不要」、「超えた場合は1件につき○万円」というように、自社の状況に応じて適切な料金プランを取り決めておきましょう。

顧問料

月額の顧問料も、明確に取り決めて契約書に記載する必要があります。

顧問料の相場について、日本弁護士連合会が2006~2007年に行った調査では、月額3万円が36.5%、月額5万円が41.7%となっていました。

2022年に行われた民間企業による調査では、月額3~5万円が35%、月額5~7万円が43%となっています。

近年では、顧問弁護士の重要性が企業社会に浸透してきたこともあり、以前よりも顧問料の相場は上昇しつつあるようです。

現在の相場としては、月額5万円程度(税別)と考えられます。

ただし、多くの法律事務所では、顧問サービスの範囲や量に応じて複数の料金プランが用意されています。自社の状況に応じて、コストパフォーマンスの高いプランを選択するとよいでしょう。

なお、法人でも個人事業主でも、顧問料は経費に計上できます。

契約期間

顧問弁護士との契約期間は双方の協議によって取り決めるものですが、一般的には1年単位での契約を求める弁護士が多いようです。

顧問弁護士によるサービスは、長期的に活用することによってトラブル予防の効果が高まるものです。したがって、契約期間を1年とすることにも合理性はあります。

しかし、契約後に弁護士との相性が合わないことが判明したような場合にまで、1年も顧問契約を継続するとコストパフォーマンスが悪くなるでしょう。そのため、初めて顧問契約をする場合などは、契約期間を定めないことも選択肢のひとつです。

契約期間の定めなしで顧問契約に応じる弁護士も少なくないので、検索するなどして探してみるとよいでしょう。

自動更新条項

契約期間を定めた場合は、自動更新条項を定めておくのがおすすめです。自動更新条項とは、契約期間が満了する○ヶ月前までに双方から契約終了の申出がなければ、自動的に契約が更新されるという取り決めのことです。

自動更新条項を定めていなければ、契約更新の手続きを忘れてしまい、相談したいときに相談できないことにもなりかねないので、注意が必要です。

顧問解約の解除について

顧問契約は一般的に長期にわたって継続するものですが、何らかの事情で解除の必要性が生じることもあります。そのため、契約解除の条件や申入れの時期、申入れ方法などを定めた条項も必要です。

契約期間を定めていない場合は、理由を問わず、いつでも解除の申入れを可能とするのが一般的です。ただし、解除の効力が発生するのは申入れの1~2ヶ月後とするケースが多いので注意しましょう。

契約期間を定めた場合は、やむを得ない事情がなければ途中解除を認めなかったり、途中解除する場合は違約金を求められたりするケースも多いので、契約前にしっかり確認する必要があります。

反社条項

反社条項とは、契約の当事者双方が暴力団などの反社会的勢力と関わりを持たず、暴力的な要求行為をしないことなどを相互に誓約し、保証するための条項です。

万が一、企業や従業員に反社会的勢力との関わりがある場合は、一切の関わりを断ち切ってから顧問弁護士との契約を結ぶ必要があります。

顧問弁護士を活用するメリット

メリット

顧問弁護士を活用することで得られる主なメリットは、以下のとおりです。

日常的な相談へ対応できる

事業を経営していれば日々、さまざまな不安が生じることでしょう。顧問契約を結んでいれば、些細な不安であっても、いつでも気軽に弁護士へ相談できます。

顧問契約を結んでいなければ、不安を抱えていても漠然としていたり、重要な問題であることに気づいていなかったりすると、放置することになりがちです。

弁護士に相談したいと思っても、相談料の負担や予約、法律事務所まで出向くことの手間などがネックとなり、躊躇することもあるでしょう。

しかし、不安を放置している間に重大なトラブルが発生するおそれもあります。

顧問弁護士を活用すれば、日常的な相談にもすぐ乗ってもらえるという安心感につながり、本来の業務に集中できるというメリットも得られるでしょう。

トラブルの発生リスクを最小限に抑える

顧問弁護士に日頃からさまざまな相談をしていれば、会社の実情を把握してもらうことができます。

会社の実情を熟知した顧問弁護士からの助言は、より実践的なものになるでしょう。経営者や従業員が気づいていない問題点を顧問弁護士の方から指摘し、具体的な対処法を助言してくれることもあります。

もちろん、重大なリスクがある事項については顧問弁護士へ相談し、詳細なアドバイスを受けることが可能です。

顧問弁護士の豊富な法律知識と経験を活用することで、トラブルの発生リスクを最小限に抑えることができます。

各種業務に関する割引

トラブルが発生してしまった場合には、紛争解決のための業務を弁護士に依頼する必要性が生じます。

弁護士名での内容証明郵便の送付、相手との交渉、裁判手続き、強制執行(財産の差し押さえ)などを依頼するためには、顧問料とは別に弁護士費用がかかります。

しかし、顧問契約を結んでいれば、割安の弁護士費用で依頼できることが多いです。会社の実情を熟知した顧問弁護士が迅速に対応し、なるべく円満な解決を図ってくれるので、結果としてコストを抑えることが可能となります。

その他にも、顧問弁護士には、経営者・従業員向けのセミナー講師など、各種業務を割引料金で依頼できることが多いです。

顧問弁護士を活用することで得られるメリットは大きいといえるでしょう。

顧問弁護士に関するご相談は山本総合法律事務所へ

弁護士写真

群馬の山本総合法律事務所では、顧問契約を中心として企業経営の継続的なサポートに力を入れております。

法律相談や契約書の作成サポート等はもちろんのこと、あらゆる業種・業態の企業様を対象に、法的なトータルサポートを提供することが可能です。

顧問契約につきましては、企業体系に合わせて選べる3つのプランをご用意しております。いずれも、契約期間の縛りはございません。

経営者様からのご相談は、初回60分までを無料としております。

顧問弁護士に関することなら、どのようなことでも構いませんので、当事務所へお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

山本 哲也

山本 哲也

弁護士法人 山本総合法律事務所の代表弁護士。群馬県高崎市出身。
早稲田大学法学部卒業後、一般企業に就職するも法曹界を目指すため脱サラして弁護士に。
「地元の総合病院としての法律事務所」を目指し、個人向けのリーガルサービスだけでなく県内の企業の利益最大化に向けたリーガルサポートの提供を行っている。

山本 哲也

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