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こんなお悩みはありませんか?
あなたの会社に、次のような問題社員はいませんか?
- 業務命令に一切従わない
- 能力が低く改善の見込みがない
- 他の従業員にセクハラ・パワハラを繰り返す
- 会社の金品を持ち出している
問題社員を放置していると、会社や他の従業員に悪影響を及ぼします。適切に対処して、問題が大きくなるのを防がなければなりません。
問題社員が会社や社員に及ぼす影響
問題社員とは、社内で様々な問題を引き起こす社員です。問題社員がいると、会社や他の従業員に様々な悪影響が生じてしまいます。
業務上のトラブル
問題社員がいると、業務をスムーズに進められません。
協調性が欠ける社員やパワハラ気質の社員は、他の従業員との連携がとれず、業務が停滞します。能力不足の社員が担当する業務では、ミスや遅れが生じるでしょう。
場合によっては、顧客や取引先との関係にも影響を及ぼしかねません。問題社員の存在が、会社全体の生産性や売上にマイナスに作用してしまうのです。
職場環境の悪化
問題社員の存在により、職場環境が悪くなってしまいます。
仕事を満足にできない社員がいれば、他の従業員がカバーせざるを得ません。また、ハラスメントをする社員がいると、被害者には大きな精神的負担がかかります。いずれの場合でも、負担に耐えきれなくなって退職者が出る可能性も否定できません。
また、問題社員を放置していると、他の従業員のモチベーション低下にもつながります。「自分も手を抜こう」「どうせ処分されないなら上司の命令に従わなくていいか」などと考える社員が増えれば、社内のムードが悪くなってしまいます。
風評被害による採用への影響
今後の採用への悪影響も考えられます。
たとえば、犯罪行為に及んだ社員について大きく報道されれば、会社への風評被害が生じかねません。また、ハラスメントが横行している事実が知られれば、時代に逆行した会社だと認識されるでしょう。
ネット掲示板やSNSを通じて情報が簡単に拡散されるのが、現代社会の怖さです。問題社員に適切に対処できない会社は、悪評が広がって求人に応募が集まらず、事業の継続・拡大に支障が生じてしまいます。
訴訟・紛争のリスク
問題社員は、訴訟などの争いをもたらす可能性もあります。
具体的に想定されるのは、以下の紛争です。
- 業務ミスによって取引先から損害賠償請求を受ける
- ハラスメント被害者から会社の体制の不備を問われる
- 問題社員から「懲戒処分は無効だ」と訴訟を起こされる
紛争が生じると、対応に時間や労力を割かれます。他の業務に支障が出る、従業員のモチベーションが低下するなど、影響が広がりかねません。
【タイプ別】問題社員の特徴と注意点
問題社員と一口にいっても、タイプは様々です。タイプ別に特徴と注意点を紹介します。
会社の指示に従わない社員
従業員は、会社からの正当な業務命令には、従わなければなりません。しかし、業務命令を無視して指示に従わない問題社員も存在します。
特徴
例としては、以下が挙げられます。
- 上司の指示した通りに業務を進めない
- 仕事がないのに残業して残業代を稼ぐ
- 無断欠席・遅刻を繰り返す
いずれにしても、会社のルールを無視して勝手な論理で動いているケースが多いのが特徴です。
注意点
問題点をただ注意しても、言い逃れされて改善しない可能性があります。指示内容やルール違反について客観的な資料を集めて、指摘するようにしてください。注意しても改善が見られなければ、懲戒処分を検討します。
他の社員が追随するのを防ぐために、早めの対応が不可欠です。
ローパフォーマー社員
特徴
ローパフォーマー社員は、同じミスを重ねたり、仕事の効率が悪すぎたりする問題を抱えています。他の類型とは異なり、本人に悪気はないケースが多いのが特徴です。
注意点
特に新入社員であれば、仕事ができないのは仕方ない面があります。まずは、指導や研修により改善を図るのが不可欠です。指導の際には人格否定はせず、冷静に問題点を指摘して改善策を話し合うようにしてください。
改善が見られないときでも、解雇するハードルは高いです。他の部署に異動させて別の業務の適性を見るなど、できる限りの対応をとるようにしてください。
協調性を欠く社員
会社で仕事をする以上、周囲との協力は不可欠です。しかし、協調性がなく、他の従業員とうまく仕事を進められない社員もいます。
特徴
コミュニケーションをとらずに、自分のやり方で勝手に仕事を進める傾向があります。周囲に攻撃的な言動をする社員もいます。協調性がないものの、個人としての能力は高いケースも少なくありません。
注意点
他のタイプと同様に、まずは指導により改善を促してください。協調性の欠如により、具体的にどのような問題が生じているかを伝える必要があります。
協調性を欠くだけで解雇するのは、容易ではありません。たまたま周囲との相性が悪いだけの可能性もあるため、配置転換により別の部署で働かせるといった対応も考えられます。
ハラスメントを行なう社員
セクハラ、パワハラなど、ハラスメントを繰り返す社員の存在は、被害者への影響も考えると重大な問題といえます。
特徴
ハラスメントには様々な類型がありますが、代表的な行為としては以下が挙げられます。
- 異性に性的な言動をする、身体に触る
- プライベートに過度に立ち入る
- 暴力を振るう
- 威圧的な言葉で精神的に追い詰める
- 過大な要求をする
ハラスメントをする人には、プライドが高い、気が短い、完璧主義などの特徴が見られます。
注意点
まずは被害者、加害者、周囲の社員にヒアリングして、ハラスメントの事実があったかを確認しましょう。ヒアリングの他に、メールなどの客観的な証拠も集めるようにしてください。
ハラスメントの事実が確認できたら、行為内容に応じて妥当な処分を検討します。被害者がいるため、早めの対応が肝心です。
非違行為を行なう社員
非違行為とは、一般的には違法行為のことです。程度によって重い懲戒処分の対象となります。
特徴
非違行為の例としては以下があります。
- 会社の金銭を自分のものにする
- 手当を不正受給する
- 会社の備品を持ち出す
いずれにしても、業務上横領罪などの犯罪に該当しうる重大な行為です。非違行為をする社員は遵法意識が乏しいと考えられます。
注意点
刑事事件に発展する可能性もあるため、客観的な証拠を集めることが重要です。証拠隠滅を図られる前に対応しなければなりません。
証拠が集まり行為の実態がわかったら、適切な処分を検討します。多額の横領・着服の事実があれば解雇できるケースも多いですが、手続は確実に踏むようにしてください。
問題社員への適切な対応方法
問題社員にすぐに厳しい処分を科したい気持ちがあったとしても、段階を踏む必要があります。
以下の対応方法を参考にしてください。
問題社員の実態を把握
まずは、問題社員がいかなる行為をしているかを把握してください。
確認方法としては、他の社員へのヒアリングや、勤務記録・メールの調査などが考えられます。後に紛争になる事態も想定して、客観的な証拠を残しておくとよいでしょう。
事実を十分に把握せずに注意や懲戒処分をすれば、トラブルの元になってしまいます。確実な実態把握を心がけてください。
注意指導の実施
事実が確認できたら、まずは注意指導をするのが一般的です。悪質性が低い問題でいきなり懲戒処分すると、かえって反発が大きくなりかねません。処分の有効性が争いになるリスクもあります。
注意の際には問題点を冷静に伝え、本人と改善策を話し合ってください。場合によっては、口頭だけでなく文書で伝えるのも有効です。後から「指導は受けていない」と主張される可能性もあるため、証拠を残すのは重要になります。
最初は注意指導をするのが無難な対応です。もっとも、非違行為などで問題が深刻であれば、いきなり懲戒処分を検討して構いません。
けん責・戒告
けん責・戒告とは、従業員を戒める処分です。両者の違いは、一般的にけん責は始末書を求めるのに対して、戒告では始末書は提出させない点です。いずれにせよ、単なる注意ではなく、就業規則に沿った懲戒処分に該当します。
けん責や戒告は軽い懲戒処分であるため、問題の程度が軽い場合に科されます。最初にけん責・戒告を科し、改善されなければより重い処分を検討するのが一般的です。
軽いとはいえ懲戒処分であるため、就業規則に従って手続を踏む必要があります。
配置転換
配置転換も有効な対策のひとつです。担当業務や同僚との相性が悪かったがゆえに問題が生じているケースもあります。業務内容や周囲のメンバーの変化により問題社員の行動が改善されれば、会社にとっても本人にとっても望ましいでしょう。
配置転換には「会社ができる限り対応した事実」を示せるメリットもあります。
本人の適性や異動先の社員への影響も十分に考える必要がありますが、配置転換は試す価値のある方法といえます。ただし、退職に追い込む目的の配置転換や、雇用契約で定められた職種や勤務地に反する配置転換は避けてください。
退職勧奨
注意指導、軽い懲戒処分、配置転換など様々な対応をしても状況が好転しなければ「辞めてもらいたい」と考えるでしょう。もっとも、いきなり解雇するのはお勧めしません。まずは退職勧奨を検討してください。
退職勧奨とは、企業が従業員に対して退職するように勧める行為をいいます。問題社員が退職勧奨に応じれば、トラブルなく会社を辞めさせることが可能です。
ただし、退職を強制させてはなりません。大人数で長時間に渡って圧力をかけたり、執拗に退職勧奨を繰り返したりすれば、違法になるリスクがあります。後から争いにならないよう、強引に退職させるのは避けてください。
解雇
退職勧奨にも応じなければ、解雇を検討します。解雇は、会社が一方的に雇用関係を終了させる強力な手段です。
もっとも、法律上解雇が認められるハードルは高く、無効になるリスクも大きいです。無効とされれば、多額の金銭の支払いが必要になります。解雇を検討する際には、他の方法と比べても特に慎重な判断が求められます。
問題社員とのトラブルを予防するためのポイント
問題社員への対応を誤ればトラブルが発生し、訴訟など裁判所での手続に発展するリスクがあります。トラブルを未然に防ぐために、以下のポイントに注意しましょう。
証拠収集
問題社員への処分を検討する前に、必ず事実関係に関する証拠を集めてください。証拠があれば誤った処分をするリスクが防げるうえに、万が一問題社員と争いになっても会社の主張が認められやすくなるためです。
証拠を集める際には、関係者へのヒアリングだけでなく、できるだけ客観的な証拠も収集するようにしてください。たとえばパワハラが問題となっていれば、被害者の証言だけでなく、メールや録音なども参考にするのが理想的です。
記録の作成・保管
注意指導や懲戒処分をした際には証拠になる記録を作成し、保管するようにしてください。問題社員の側から「指導は受けていない」「いきなり処分を受けたのは不当だ」といった主張をされないようにするためです。
具体的には、指導は口頭だけでなく文書でもする、面談内容を録音するといった方法が考えられます。
解雇は最終手段
問題社員には様々な対応が考えられますが、解雇は最終手段とするようにしてください。解雇は雇用関係を強制的に終了させるため、社員からの反発が想定されます。トラブル防止の観点からは、特に慎重に検討する必要があります。
多額の横領など非常に悪質性が高いケースを除き、いきなり解雇するのは無効と判断される可能性が高いです。指導、軽い懲戒処分、配置転換、退職勧奨といった方法を段階的にとるようにしてください。
解雇を検討する際には、法律上の条件を満たしているかを確認するために、一度弁護士に相談するのをお勧めします。
まとめ
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。
問題社員を放置することは優秀な人材の離職にも繋がります。早期の対応をぜひご検討ください。
弁護士法人山本総合法律事務所では、現在就労している社員への対応方法に関するアドバイスのみではなく、問題社員が発生しないための対応策のご提案も可能です。顧問契約等の費用は下記よりご確認ください。
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この記事を書いた人
山本 哲也
弁護士法人 山本総合法律事務所の代表弁護士。群馬県高崎市出身。
早稲田大学法学部卒業後、一般企業に就職するも法曹界を目指すため脱サラして弁護士に。
「地元の総合病院としての法律事務所」を目指し、個人向けのリーガルサービスだけでなく県内の企業の利益最大化に向けたリーガルサポートの提供を行っている。